菌ちゃん農法との出逢い

きっかけは一冊の本でした。
『図解でよくわかる 菌ちゃん農法(微生物の力だけで奇跡の野菜づくり)』
既にコンポストを始めていた私は、通常なら「生ごみ」として処分されるものが、「堆肥」として、次の命を育てる新たな役割を持てることに感動すら覚えていました。
家庭ごみの約3割を占めると言われる生ごみの、約80~90%を占めると言われているのが水分。
この水分により、処分のために多大なエネルギーを要し、社会問題になっています。
私は生ごみは三つに選別しています。
一つはミミズコンポスト。食材を細かく刻んでミミズに分解してもらいます。
ミミズの苦手な食材や、分解が出来ないものはEM菌のコンポストへ。
EM菌でも無理なものは最終手段として生ごみとして出します。
コンポストから次の植物を育てる堆肥になるのが感動ですね!
家で野菜を育てたいけれど、畑を借りてまではハードルが高い!
食べたいときにちょっとベランダにでて収穫する、こんな気軽な菜園をしたいと考えた時に出逢ったのが『菌ちゃん農法』でした。
1. 菌ちゃん農法とは?
「菌ちゃん農法」は、土の中の微生物、いわゆる「菌ちゃん」を増やすことで土壌を豊かにし、農薬や化学肥料に頼らずに元気な野菜を育てる方法です。提唱者の吉田俊道さんは、長年にわたる研究と実践を通じて、健康な土が野菜の生命力を高めることを証明しました。
この農法の大きな特徴は、「土の中の菌を増やすこと」に重点を置くことです。通常の農法では、害虫や病気を防ぐために農薬を使いますが、菌ちゃん農法では「菌の力」でバランスの取れた土壌を作り、作物が病気になりにくい環境を整えます。

2. なぜ「菌」が重要なのか?
土壌にはもともと無数の微生物が存在しています。これらの菌は、落ち葉や枯れた植物を分解し、土をふかふかにする働きを持っています。また、植物が必要とする栄養素を供給し、根の成長を助ける重要な役割を担っています。
しかし、化学肥料や農薬を多用すると、この大切な菌たちが減少し、土が固くなったり、栄養バランスが崩れたりすることがあります。すると、作物の根が十分に発達せず、病気にかかりやすくなるのです。
菌ちゃん農法では、落ち葉や生ごみ、米ぬかなどを発酵させて「菌のすみか」を作り、それを土に混ぜ込むことで微生物の働きを活性化させます。すると、土が自然に豊かになり、肥料を使わなくても栄養価の高い野菜が育つようになります。
3. 菌ちゃん農法のメリット
菌ちゃん農法には、次のようなメリットがあります。
① 栄養価の高い野菜が育つ
健康な土で育った野菜は、ビタミンやミネラルを豊富に含み、味も濃くなります。特に、ほうれん草や小松菜などの葉物野菜は、通常の栽培方法と比べて鉄分やカルシウムの含有量が高くなることが報告されています。
② 病害虫に強い野菜が育つ
土壌環境が整うと、野菜そのものの免疫力が高まり、害虫や病気に負けない強い作物が育ちます。そのため、農薬を使わずに安心して栽培できます。
③ 環境に優しい
農薬や化学肥料を使わないため、土壌汚染を防ぎ、自然環境にも優しい農法です。また、家庭の生ごみを活用することで、ゴミの削減にもつながります。
④ 初心者でも取り組みやすい
特別な道具や設備が不要で、家庭菜園でも簡単に実践できるのが魅力です。小さな畑やプランターでも、菌ちゃんを増やす工夫をすれば、健康な野菜を育てることができます。
4. 菌ちゃん農法の始め方
菌ちゃん農法を始めるのは意外と簡単です。以下のステップで実践してみましょう。

ステップ①:土づくり
まずは、落ち葉や枯れ草、生ごみ(野菜くずや米ぬかなど)を集め、発酵させます。これを「菌ちゃん堆肥」として活用します。発酵させる際は、段ボールやコンポストを使うと手軽です。
米ぬかは、ホームセンターの駐車場等に設置されているコイン精米機の隣に、無料で持ち帰れる米ぬか集積スペースがあったりしますので、それを活用されると良いと思います。

ステップ②:菌を土に増やす
できた菌ちゃん堆肥を畑やプランターの土に混ぜ込みます。これにより、微生物が活性化し、土がふかふかになります。
ステップ③:野菜を植える
通常の栽培方法と同じように、種や苗を植えます。ただし、土の中の菌がしっかり増えるまでには少し時間がかかるので、じっくり待ちましょう。
ステップ④:観察と調整
菌ちゃん農法では、野菜の成長をじっくり観察することが大切です。もし育ちが悪い場合は、堆肥の量を増やしたり、水の管理を工夫したりして、環境を調整しましょう。

5. まとめ
菌ちゃん農法は、自然の力を活かして土を健康にし、栄養価の高い野菜を育てる素晴らしい農法です。家庭菜園でも気軽に実践できるため、初心者の方にもおすすめです。
化学肥料や農薬に頼らず、微生物の働きを活かして作物を育てることで、環境にも体にも優しい農業が実現できます。ぜひ、あなたも「菌ちゃん」の力を活かした野菜作りに挑戦してみませんか?
